RedHatLinux9 に MovableType(以下 MT) をインストールし、WEBLOG 環境を構築してみましょう。RHL9 は、すでに RHN によるサポートも終了し、しかも MovableType 3 日本語版ももうすぐリリースされてしまいますが、気にせずにいってみます。可能な限り、Fedora Core(UTF-8) 用の設定も併記します。
※ MySQL の自動起動 の記述を追加しました。(2004/05/24)
※ VineLinux 3.0 の記述を追加しました。が、正常動作を確認してません。^^;(2004/08/29)
- 必要な物を持ってくる
MT を使うには、データベースをインストールする必要があります。PostgreSQL でもよいのですが、今回は MySQL を使ってみます。それ以外にも必要なものとして、perl-DBI、Jcode、ImageMagick などがあります。
各ファイルの在り処と、現在の最新ファイル名は下記の通りです。MovableType 2.661 のみホームページにアクセスした後、ダウンロードしてください。それ以外は、wget などを利用してダウンロードし rpm でインストールするか、apt が入っているならそれを利用してパッケージのインストールを行います。 下記の例はすべて apt を利用します。 インストールされていない場合は、ここを参照して apt を入れましょう。
例) wget http://search.cpan.org/CPAN/authors/id/D/DA/DANKOGAI/Jcode-0.83.tar.gzftp://ftp.redhat.com/pub/redhat/linux/updates/9/en/os/i386/
mysql-3.23.58-1.9.i386.rpm
mysql-devel-3.23.58-1.9.i386.rpm
mysql-server-3.23.58-1.9.i386.rpm
ftp://ftp.redhat.com/pub/redhat/linux/9/en/os/i386/RedHat/RPMS/
ImageMagick-5.4.7-10.i386.rpm
ImageMagick-perl-5.4.7-10.i386.rpm
perl-DBI-1.32-5.i386.rpm
perl-DBD-MySQL-2.1021-3.i386.rpm
以上のファイルは、Fedora Core 2 では、CD から入れるのが便利です。/Fedora/RPMS/ にあります。ファイル名と入っているディスクは、下の通り。
mysql-3.23.58-9.i386.rpm (Disk1)
mysql-devel-3.23.58-9.i386.rpm (Disk3)
mysql-server-3.23.58-9.i386.rpm (Disk3)
ImageMagick-5.5.7.15-1.3.i386.rpm (Disk1)
ImageMagick-perl-5.5.7.15-1.3.i386.rpm (Disk3)
perl-DBI-1.40-4.i386.rpm (Disk1)
perl-DBD-MySQL-2.9003-4.i386.rpm (Disk1)
VineLinux 3.0 では、下記から持ってこれます。
ftp://ftp.vinelinux.org/pub/Vine/VinePlus/3.0/i386/RPMS.plus/
MySQL-client-4.0.20-0vl1.i386.rpm
MySQL-server-4.0.20-0vl1.i386.rpm
MySQL-devel-4.0.20-0vl1.i386.rpm
perl-DBI-1.40-0vl1.i386.rpm
perl-DBD-MySQL-1.2219-0vl1.i386.rpm
ImageMagick はすでに入っているはずです。
http://search.cpan.org/CPAN/authors/id/D/DA/DANKOGAI/
Jcode-0.83.tar.gz
MovableType 2.661
http://www.movabletype.org/download.shtml
Full Version with Libraries を選択してダウンロード。ファイル名は、MT-2.661-full-lib.tar.gz になります。
追記です。現在3.0が出たため、上記ではダウンロードできません。
こちらを参考に試して見ましょう。
http://affiliate.de-blog.jp/info/2004/06/movabletype_ver.html
MovableType 日本語化パッチ
http://rebecca.ac/milano/mt/archives/000168.html
上記でダウンロードしてください。ファイル名は、mt-ja.2.661.tgz。
- MT 以外のパッケージをインストール
ダウンロードしたものをインストールします。ダウンロードした全てのファイルを、同じディレクトリにコピーします。そのディレクトリへ移動したら、下のように実行します。なお、Jcode と MovableType 以外は rpm コマンドでインストールします。root ユーザで作業します。
太字部分を入力します。↓ は Enter キーの押下を意味します。↓ がなく2行にまたがった表示されている部分は、改行せずに一行で入力します。
# apt-get install mysql mysql-server mysql-devel ↓
# apt-get install ImageMagick ImageMagick-perl ↓
# apt-get install perl-DBI perl-DBD-MySQL ↓
# tar -zxvf Jcode-* ↓
# cd Jcode-* ↓
# perl Makefile.PL ↓
# make ↓
# make install ↓
# cd .. ↓
ImageMagick, perl-DBI はおそらく入っているはず。
インストールされているかを確認する例)
# rpm -q ImageMagick ↓ImageMagick-5.4.7-10 と表示されればインストールされています。
- MySQL の設定
root(superuser)で /etc/my.cnf をエディタを使って変更します。
[mysqld]に
skip-innodb ↓
を追加。
もし、/etc/my.sql が存在していない場合、次のようにしてコピーしてから上記を追加してください。
# cp /usr/share/mysql/my-medium.cnf /etc/my.cnf ↓
MySQL を起動します。
# /etc/rc.d/init.d/mysqld restart ↓VineLinux3.0 の場合、上記の mysqld を mysql に読み替えます。
root(mysql管理者ユーザ名)にパスワードの設定
# mysql -u root ↓
mysql> set password for root=password('????????'); ← ??????? はパスワードを記入
Query OK, 0 rows affected (0.00 sec)
mysql> quit ↓
匿名ユーザーの削除
# mysql -u root -p mysql ↓
Enter password: ???????? ↓
mysql>delete from user where user = ''; ↓
Query OK, 2 rows affected (0.00 sec)
mysql> quit ↓
MT用データベース(名前はmt)の作成
# mysqladmin -u root -p create mt ↓
Enter password: ???????? ↓
# mysqlshow -p ↓
Enter password: ???????? ↓
+-----------+
| Databases |
+-----------+
| mt | ← mt が表示されるのを確認
| mysql |
| test |
+-----------+
ユーザ(mtuser)の作成と権限の付与
mtuser という名前のユーザを作成します。パスワードは、xxxxxx、 localhost から接続した場合、mt データベースに対して全ての権限を持たせます。
# mysql -u root -p ↓
Enter password: ???????? ↓
mysql> grant all privileges on mt.* to mtuser@localhost IDENTIFIED by 'xxxxxx'; ↓
Query OK, 0 rows affected (0.00 sec)
mysql> quit ↓
MySQL の自動起動
最後に、次回起動時に、MySQL を自動で起動するように変更します。runlevel が 3 と 5 のときに自動起動します。
# chkconfig --level 35 mysqld on ↓VineLinux3.0 の場合、上記の mysqld を mysql に読み替えます。
- MT の日本語パッチ適用とインストール
次に MT です。日本語パッチを入れた後、インストールと設定を行います。
# tar -zxvf MT-2* ↓
# tar -zxvf mt-ja* ↓
# cp -r lang-ja MT-2.661-full-lib/images ↓
# cp MT.euc.patch MT-2.661-full-lib ↓
# cd MT-2.661-full-lib ↓
# patch -p1 < MT.euc.patch ← EUC(RHL9,VineLinux3) の場合
# patch -p1 < MT.utf8.patch ← UTF-8(Fedora) の場合
MT-2.661-full-lib ディレクトリにある mt.cfg を、エディタを使って変更します。
MovableType の CGI 関連のファイルと、 画像や index.html などのファイルは、自前サーバでは通常別ディレクトリにいれるはずです。
たとえば、CGI は、http://gordon.pub.xxx.yyy.co.jp/cgi-bin/mt/ (実態は、/home/httpd/cgi-bin/mt/) へ、データ関連は http://gordon.pub.xxx.yyy.co.jp/blog/ (実態は、/home/httpd/htdocs/blog/) へ置くことにします。
行頭の # はコメントを意味しますので、設定すべき項目の先頭に # があったら、それを削除してあげてください。
CGIPath http://gordon.pub.xxx.yyy.co.jp/cgi-bin/mt/
StaticWebPath /blog/
NoHTMLEntities 1
PublishCharset EUC-JP # ← EUC(RHL9,VineLinux3) の場合。それ以外は行頭に#を追加。
PublishCharset UTF-8 # ← UTF-8(Fedora) の場合。それ以外は行頭に#を追加。
次に次の行を追加します。場所はどこでもよいです。
ObjectDriver DBI::mysql
Database mt # ← 作成したデータベース名
DBUser mtuser # ←作成したユーザ名
パスワードファイルの作成
# echo 'xxxxxx' > mt-db-pass.cgi ↓
ファイルのコピー
docs, images ディレクトリと styles.cssは、StaticWebPath で設定したディレクトリへ、extlib, lib, plugins, schemas, search_templates, tmpl ディレクトリと mt.cfg と全ての .cgi は、CGIPath で設定したディレクトリへコピーします。
# mkdir /home/httpd/cgi-bin/mt ↓
# mkdir /home/httpd/htdocs/blog ↓
# mkdir /home/httpd/htdocs/blog/archives ↓
# cp -r extlib lib plugins schemas search_templates tmpl /home/httpd/cgi-bin/mt ↓
# cp mt.cfg *.cgi /home/httpd/cgi-bin/mt ↓
# cp -r docs images styles.css /home/httpd/htdocs/blog/ ↓
移動した全ファイルのオーナ、グループ、ファイルの属性を変更します。オーナ、グループは、apache が動作しているそれと同じがよいでしょう。これは、httpd.conf に書いてあります。RHL9 のデフォルトは、ともに apache です。.cgi はすべて 755 に、htdocs 下のディレクトリは 777 にします。
# chmod 777 /home/httpd/htdocs/blog ↓
# chmod 777 /home/httpd/htdocs/blog/archives ↓
# chmod 755 /home/httpd/cgi-bin/mt/*cgi ↓
# chown -R apache.apache /home/httpd/cgi-bin/mt ↓
# chown -R apache.apache /home/httpd/htdocs/blog ↓
- MT の初期設定
ここまでで、ほぼ設定は完了しています。不足・問題がないか確認してみましょう。
# cd /home/httpd/cgi-bin/mt/ ↓CHECKING FOR REQUIRED MODULES 部分は、すべて「installed」となっていることを確認します。
# ./mt-check.cgi ↓
CHECKING FOR DATA STORAGE MODULES 部分は、「DBD::mysql」が「installed」となっていることを確認します。
CHECKING FOR OPTIONAL MODULES 部分は、「Image::Magick」が「installed」となっていることを確認します。
上記の中にひとつでも「Your server does not have 〜」という記述があったら、必要なモジュールがインストールされていません。再度チェックしましょう。使用しないモジュールについては、この限りではありません。
次に、mt-load.cgi を実行します。これが終わると、MT が動作するようになります。
# ./mt-load.cgi ↓実行結果の真ん中辺りに、「Done loading initial data! All went well.」と表示されるのを確認してください。確認できたら、mt-load.cgi は削除します。
# rm -f mt-load.cgi ↓
さぁ、これで一通り作業は完了しました。ブラウザで /cgi-bin/mt/mt.cgi を開いてみましょう。Username と Password を聞いてきますので、Username に Melody、Password に Nelson と入力し、Log In を押します。このユーザ名とパスワードは、ログイン後にすぐ変更するので、[Remember me?] はチェックしないでください。
開いたら、右のメニューの、[Edit your profile] をクリックします。
まず、Preferred Language を Japanese にした後、[Save] を押します。画面が日本語表示に切り替わります。
ユーザ名 は Melody を消してご自分の好きな名前に、ニックネーム, メールアドレス, パスワード, 出生地などの設定を行い、[保存]してください。
メインメニューに移動した後、[ウェブログの管理]へいきます。そのなかで、[ウェブログの設定]を押し、[基本設定]を次のように変更します。
ウェブログの名前: 任意
Local Site Path: /home/httpd/htdocs/blog
サイトのURL: http://gordon.pub.xxx.yyy.co.jp/blog/
Local Archive Path: /home/httpd/htdocs/blog/archives
Archive URL: http://gordon.pub.xxx.yyy.co.jp/blog/archives/
時間帯: UTC+9 (日本時間)
上記のように設定して保存を押しましょう。
[ウェブログの設定]では、必要なものを適当に設定します。私は、
表示する日数: 3
日付用の言語: 日本語
匿名コメントを受け付ける: チェック
として、保存しました。
[アーカイブの設定]では、全てにチェックをして保存します。
ここまで終わったら、[再構築]を押して、[すべててを再構築する]を選んで[再構築]を押します。これで完了。上で設定した[サイトのURL]をブラウザで見てみましょう。ちゃんと表示されましたか?
後は先ほどの管理画面から、Template を変更して見栄えを変え、新しい Entry をどんどん書き込んでいきましょう。