【タクシードライバーの憂鬱】車内のオーディオ環境

タクシー車両のオーディオ環境は非常に脆弱で、30年前に設計されたセドリックと最新のJPN TAXIを比較してもほとんど変わらず、ラジオが付いているだけになります。

昔は小さい音量でラジオをかけていたのですが、夜時間の番組は知性を感じることができない方たちのトーク番組が多かったので、Bluetooth対応FMトランスミッターを購入し、スマホからのサブスク音楽配信サービスを利用できるようにしています。

国道を走っているとたまに混信して演歌が流れてくることがありますが、概ね満足してます。気分によってモダンジャズやクラッシック(主にピアノ曲)、最新はキャッチアップ出来てないので2010年代のポップスをよく流してます。こんなタクシーは少ないはず(笑)。

今日初めてお客さん(男40代後半)に音楽について聞かれました。下車直前の会話。

客「運転手さん、これFMの何チャンネルかけてるの?」
私「ラジオじゃなくて。スポティファイです」
客「・・・。シャレてるねぇ」
私「ありがとうございました!」

きっと理解できてない(笑)。

JPN TAXI インプレッション

JPN TAXI
ジャパンタクシーに乗り始めて約2週間。簡単ではありますが、感じたことを書いてみます。

まずは良いところ。
全部の窓が大きいため、死角が少なく周りの状況が把握しやすいです。(相方がシート位置を一番高い位置にしているのもあるのですが)視点も高めで、運転しやすいです。

車内照明はLEDで、明るくてグッド。後席のライトが付いていても運転中に全く気にならないので、夜ご乗車の女性のお化粧直しにも最適です。

次に早くも気になるところ。
超微低速時のギクシャク感が非常に気になります。停止時は微妙なブレーキタッチでなめらかに止まりたいのですが、それを許してくれません。個体固有の問題なのか、トヨタはみんなそうなのかは知りませんが、なんとかしたいところ。

フェンダーミラーはなかなか慣れません。ついドアミラー部を見てしまいます。特にバック時は感覚が未だに掴めずに困ってます。

収納が少ない。助手席の足元スペース確保のためなのか、グローブボックスがありません。コンソールの肘掛けあたりにも全く収納がないため、持ち込んだ荷物をどこに置こうか困ります。

すべての窓で全開にすることができない。窓を大きくしぎた影響なのでしょうが、残念なポイント。せめて運転席だけは全開できるようにして欲しかったです。

ブレーキペダルを踏み込んだ状態でパッと離すと、ドンと大きめな音がします。今までの車であまり気になったことがないので、たまたまなのかなぁ。また、ペダル全体が左寄りで、右足をまっすぐ踏み込むと、足の裏の左半分にしかブレーキペダルが当たりません。運転席をギリギリまで前にシフトしたせいとは思いますが、長時間のドライブだと少し気になります。

パーキングブレーキがフットペダル。まだあったのね、という感じ。最近の車なのだから、電子化できなかったのかなぁ。

燃費は13km/L前後。LPGは現在1Lあたり70円程度なので、

(タクシー)車両がJPN TAXIに変わりました

セドリック
しばらく乗っていた35万キロオーバーなセドリック。およそ30年前にデビューした車両は数年前に製造中止が決定され、あと数年でなくなってしまうはずです。

まだまだセダンタイプ車が多いこの業界ですが、この度タクシー専用車両のJPN TAXIに乗り換えることになりました。同期入社の人よりも早く変わったのは、車の取り扱いの丁寧さとたぶん営業成績、かな?(笑)
JPN TAXI
同じセドリックをシェアしていた同僚の人は、帰社後の車のお手入れが不十分で注意されたらしいのですよ(確かに私が使う前に窓やボディを拭き直すことは茶飯事)。で、私にもメモで「こんなこと言われたから注意しろよ」みたいなこと言われたけど、言われたのは私じゃないし、終業後には自腹でセルフの洗車機で洗ってる私が言われるわけない(笑)。それにマイカーなAURAで通勤してるので、いつも車をキレイに丁寧に扱ってるのは周知の事実。

というわけで、次回はJPN TAXIのインプレッションをお送りする予定です。

【タクシードライバーの憂鬱】行き先を変える男

平日の朝9時前くらい。スーツを着た若い男性が手を上げて、私のタクシーを止めました。たまたま踏切の直前で停止したところで、ちょうどカンカン鳴り始めたところです。

客(乗り込むなり)「新宿までお願いします。」
ド(お!朝からロングだ。ラッキー♪)「かしこまりました」
客「いくらくらいかかるかわかりますか?」
ド(面倒くさいなぁ。アプリで調べて)「7,000円から8,000円くらいなようです」
客「え゛…」
ド「いかがしますか?」
客「品川までだとどうですか?」
ド(チッ)「あまり変わらないですね。7,000円くらいです」
客「そうですかぁ。すみません、川崎駅で」
ド(ドテッ。マジか)「かしこまりました。」

若いサラリーマンには、タクシー代を払う余裕はなかったようです。川崎駅までの道中、各所に電話をしっぱなしで、ずっと謝罪してました。大事な打ち合わせがあったのに、寝坊してしまった模様。気をつけろよ、若人。

【タクシードライバーの憂鬱】後退りする女

ある寒い日の15時頃でした。
御婦人をご自宅から動物病院までお送りしました。目的地は住宅街の中にあり行ったことがない場所。ナビを頼りに行ったのですが、ワンブロック間違えて曲がり、ほんの少しだけ遠回りになりました。

お会計となったところで揉め始めます。
客「何で今日だけ1200円なんですか?いつもは1000円とか1100円なのに」
ド「申し訳ありません。少しだけ遠回りになってしまったので」
客「おかしいじゃないですか。何とかしてくださいよ。私は週2回、ここにタクシーで通ってるんです。こんなの初めてです」
そう言って財布の中を漁りだしたお客様は、タクシーのレシート10数枚を取り出し見せ始めます。(怖っ)
ふと外を見ると、タクシーに乗りたそうな女の子がこちらをずっと注視してます。本来はしてはいけないのですが、お客様に狂気を感じ、これ以上関わるのは危険と判断し、自腹で100円負担して1100円で降りていただきました。たかが100円でそんなに拘る人がタクシー使うなよ(笑)

先客が降りるとすぐに「いいですか〜?」と先程の女の子。もちろんウェルカムなので笑顔でドアを開けます。若くて背が高くて長めの茶髪で、まるで『めるる』のように可愛らしい女の子でした(マスク越しだけど)。

乗り込む前に後部座席を一瞥した『めるる』。急に目を見開いて固まってしまいました。私の「どうぞ」という掛け声は耳に届いていない模様です。そのうち、頭を左右に少し振りながら、後退していってしまいました。

後部座席になにか先客の忘れ物でもあるのかと思い確認するも、白いシーツの掛かった座面が広がるばかり。私には何も見えません。もしかして『めるる』は視える人なのかもしれません。「お乗りになりますか?」という問い掛けには大きく頭を振って否の意思表示をし、くるりと踵を返して立ち去ってしまいました。

おいおい、後ろの席に、私の見えないアヤカシでもいるの?これから深夜まで一人で運転しなくちゃいけないのよ。なんなの?

それ以降何も起こってはいないのですが、印象的な出来事でした。